ワールドカップ日本代表を見て感じたこと

今、日本人は強いリーダシップを求めている。
でも、そういう存在はなかなか現れない。

渡米直後、鳩山由紀夫がまた突然首相を辞めた。
そして、菅直人が、第94代内閣総理大臣となり、内閣支持率、民主党支持率とも再上昇。これは、菅氏に鳩山氏にはない力強さを感じたからだろう。薬害エイズの際の突破力を思い出したのかもしれない。しかし、菅氏の強引さも衰えてきているようだ。消費税増税発言による支持率低下に対する焦り、トップに立つとかくも弱くなるものなのか。自分の信念を貫けばいいのに(そんなものがないのかもしれないが)。日和るのではなく、むしろ「消費税を上げて、必ず財政再建を成し遂げる」と主張し続ければ、いずれ支持率は上がってきただろう。そもそも消費税を還付するという意味が分からない。あまねく税を徴収でき、収入を安定させるはずの消費税の利点を消してどうするんだ。
まぁ、消費税問題はさておき、良い意味で独裁者的な、強いリーダシップを発揮できる人材というのは、なかなかいない。
では、どうすれば良いのだろうか。

ワールドカップを見ていて、私はサッカー日本代表も同じだなと感じた。
ワールドカップ前、日本代表は中村俊輔のチームのはずだった。
しかし、機能しない。内閣支持率低下と同じように、日本代表に対する期待も下がっていった。
それは、俊輔が強いリーダーシップを発揮できなかったからだろう。
全盛期からの衰え、ケガによるパフォーマンスの低下、カリスマ性などいろいろな要素があるのかもしれないが、残念ながらチームはまとまらなかった。誰もが予選敗退を予測していた。
しかし、岡田監督は決断する。俊輔をスタメンから外すことを。
それによって、チームは生き返った。本田も、松井も、長谷部も、遠藤も、大久保も生き生きとプレーしているように見えた。
誰か一人が中心になるのではなく、強い個性を持った一人一人が、一つの目的に向かって、まとまって進む。
そこに強さが生まれた。

そう、やはり目的が必要なのだろう。
今の日本はどこに向かいたいのかが分からない。
強いリーダーシップを発揮できなくても、それなりの能力を持った政治家がいる。
しかし、それぞれが私利私欲も含め、ばらばらな方向を向いているのではないか。
まずは、進む方向を決めよう。
そして、それを決めるのは監督ではなく、国民である。